すでにサイバースペースの半ば支配下にある実空間において、建築的アプローチの果たすべき役割とは|宇野常寛
すでにサイバースペースの半ば支配下にある実空間において、建築的アプローチの果たすべき役割とは|宇野常寛
編集部から2030年に考えられる社会と文化の変化について、というテーマを受け取ったのだが、これが悩ましい。もちろん、相応の説得力のある賢い文章をその回答に充てることはそれほど難しくない。データの羅列と、それを意味づける横文字によってその説得力を増すことも、手間はかかるがある種の語り口がテンプレートとして確立しているので精神的な労力はむしろ低くて済むだろう。しかし、私に求められているのは「そういうこと」ではないはずだ。文化批評に足場を置く私がここで述べるべきは、むしろ建築という領域から社会にアプローチする際につきまとう、目に見えない不安のような予感を門外漢だからこその視点で言語化することではないかと思うのだ。それは端的に述べれば、もはや建築的なアプローチは社会を得る力を持ちえない、という予感なのだと思う。
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