【新連載】加藤るみの映画館(シアター)の女神 3rd Stage ☆ 第1回『ロングショット 僕と彼女のありえない恋』 | PLANETS/第二次惑星開発委員会

宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2020.01.23
  • 加藤るみ

【新連載】加藤るみの映画館(シアター)の女神 3rd Stage ☆ 第1回『ロングショット 僕と彼女のありえない恋』

今回より、加藤るみさんの「映画館(シアター)の女神」の第3シーズンが始まります。第1回で取り上げる作品は『ロングショット 僕と彼女のありえない恋』。 失業中の元ジャーナリスト(男性)と才色兼備のアメリカ国務長官(女性)による、ご都合主義ありの格差恋愛が、最後は魅力的なカップルになっていくという、るみさん大絶賛のラブコメを紹介します。

皆さま、お久しぶりです。加藤るみです。
『加藤るみの映画館の女神』が3rdシーズンと題して帰ってきました!

私事ですが、2020年から東京から大阪に拠点を移しました。
まだ何も結果に繋がっていない歯痒さが常にありますが、一個ずつできることを探しながら毎日を過ごしています。
そんな種まき作業をしているなかで、さっそく映画紹介の仕事を大阪でする第一の壁にぶつかりました。
3rdシーズン始まってすぐこんな話題でいいのかしらと思いながら書いていますが、今の私の現状を伝えれたらと思います。

東京では、公開前作品の試写会が毎日のようにあって、新作をいち早く観てレビューをしていました。
次々と出てくる作品を公開前にレビューできることは、映画紹介の仕事をする上で強みでもあります。
ですが、大阪は東京と比べて試写が圧倒的に少ないです。
東京で行われる映画のマスコミ試写は、大作系だと5〜10回以上、ミニシアター系の作品でも2〜6回程試写があります。
大阪では、試写がある作品で1〜3回程です。ミニシアター系の試写はほぼ無いと言ってもいいでしょう。試写で観れない作品はサンプル対応でDVDを借りることもできますが、作品によっては権利の関係でサンプル対応していないこともあります。
これが、賞レースに絡んでいる作品だったりするので先に観てレビューできないのは痛いです。
東京の前は名古屋で活動していたので地方の試写事情について軽くは知ってはいたものの、やはり実際に来てみると東京という恵まれた映画環境の素晴らしさが身に染みました。
年始から、今まで東京でお世話になっていた配給会社さんや宣伝会社さんにたくさん問い合わせをしてるんですが、まだ大阪で試写は1回も観れていない状況です。
なので、試写が観れない分その時間を配信系オリジナル(主にNetflix、Amazonプライム)を攻めてみようかなと考えています。
まだまだ自分の活動スタイルを模索中ですが、関西の映画館事情もこれから紹介できたらと思います。
地方在住映画ファンの味方になれるよう、大阪から映画界を盛り上げれるよう、試行錯誤しながら発信していきたいと思います。

さて、今回紹介する作品は、『ロングショット 僕と彼女のありえない恋』です。
現在公開中の作品で、まだ2020年が始まって間もないですが、私の年間ベスト入りは確実な超イチオシのラブコメです!

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▲『ロングショット 僕と彼女のありえない恋』

この作品は『プリティ・ウーマン』(’90)の男女逆転版とも言われている話題作で、一言で言うと現代アメリカに対する、ブラックユーモアも満載なシニカルラブコメディです。
物語は、失業したばかりの元ジャーナリストのフレッドがアメリカの国務長官として活躍するシャーロットとパーティーで再会したことから始まります。
失業してお金もなければ地位もない、オマケにファッションセンスもないヒゲ面のフレッドが、才色兼備のバリキャリウーマンシャーロットと恋に落ちるという、ラブコメによくありがちな美女と野獣的な格差恋愛は、「うんうん、このありえないロマンティック展開こそがラブコメだよね!」と、しょっぱなからラブコメ好きのハートをがっしり掴んできます。

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