宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

Serial

  • 2020.02.25

高佐一慈 誰にでもできる簡単なエッセイ 第2回 相田みつをゲーム

お笑いコンビ、ザ・ギースの高佐一慈さんの連載『誰にでもできる簡単なエッセイ』。新宿のファミレスで暇そうな女子高校生のグループに遭遇した高佐さん。彼女たちが退屈しのぎに始めた「相田みつをゲーム」なる遊びに興味を持ちますが……?

都内のファミレスに行った。店内に天使の絵が飾られている激安イタリアンレストランだ。ファミレスの中でも最も価格帯が安いという理由のせいか、顧客も学生が多い。僕も大学生の頃よく利用していた。
夕方の16時くらいだったが、場所が新宿ということで、店内は割と混雑していた。僕はタバコを吸うので通常は喫煙席に座るのだが、喫煙席は満席で何分待つかもわからない状態だったので、禁煙席に案内してもらった。

一人で席に着き、この店で一番コストパフォーマンスが良いと思われる、イタリアの都市の名前が付けられたドリアとドリンクバーを注文し、スマホを開きながら料理を待っていると、隣のテーブルから騒がしい声が聞こえてきた。見ると、制服を着た女子高生5人グループが料理を食べ終えたテーブルでキャッキャと談笑している。皆うっすら化粧を施し、ピアスをし、5人のうち一人は金髪である。ハーフというわけではなく、顔立ちは純日本人といった面持ちなので、恐らくカラー剤で染めたのだろう。校則が緩いのか、はたまた校則を無視して染めたのか、いずれにせよこの時間にファミレスにいるということは、家に帰って真面目に宿題をやったり、部活動に勤しんだりするタイプの学生ではないということである。

僕は高校が男子校であり、それもカトリックの進学校だったこともあり、学校帰りは寄り道などせず、まっすぐ家に向い、次の日の宿題をしているような真面目な学生だった。なのでこういったいわゆるギャルの女子高生が普段どんな会話をしているのかにとても興味があり、なんとなく隣のテーブルの会話に耳をそば立てた。

「なんかダルいよねぇ〜」
「マジで超ヒマなんだけどぉ〜」
「確かに〜」

ヒマなら部活に所属して汗かいたらいいだろと思うが、そういうことではなく、こうやって彼女たちなりにコミュニケーションを楽しんでいるのだろう。
すると、料理を全て食べ終え、この何も無い時間に本当に飽き始めたのか、一人が言った。

「ねぇ、ゲームしようよ。ゲーム」

今時の女子高生が一体どんなゲームをするのかに多少興味が湧いたが、どうせスマホゲームか何かだろう。そう思った僕の耳にゲーム提案者の甲高い声が飛び込んできた。

「相田みつをゲーーーーーム!」

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