HANGOUT PLUS 宇野常寛ソロトークSPECIAL(11月28日放送分書き起こし)【毎週月曜日配信】 | PLANETS/第二次惑星開発委員会

宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

Serial

  • 2016.12.05
  • 宇野常寛

HANGOUT PLUS 宇野常寛ソロトークSPECIAL(11月28日放送分書き起こし)【毎週月曜日配信】

毎週月曜日夜にニコ生で放送中の宇野常寛がナビゲーターを 務める「HANGOUT PLUS」、2016年11月28日に放送された、ソロトーク回の一部書き起こしをお届けします。今回は、番組のリスナーの皆さんから寄せられたメールを取り上げます。宇野流の情報収集のコツ、宮藤官九郎脚本の2019年大河ドラマについてなど、さまざまな質問に宇野常寛が答えていきます。


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▲先週の放送はこちらからご覧いただけます
PLANETSチャンネルで、J-WAVE 「THE HANGOUT」月曜日の後継となる宇野常寛のニコ生番組を放送中!
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「HANGOUT PLUS書き起こし」これまでの記事はこちらのリンクから。

前回:福原伸治×宇野常寛 テレビはこのまま終わるのか(HANGOUT PLUS 11月21日放送分書き起こし)【毎週月曜日配信】

※このテキストは2016年11月28日放送の「HANGOUT PLUS」の内容の一部を書き起こしたものです。
※今週は、宇野常寛〈HANGOUT PLUS〉の放送はお休みとなります。次回、12/12(月)放送、「乙武洋匡×宇野常寛「もう一度この国が変わると思えるために」――〈HANGOUT PLUS〉vol.010」をお楽しみに!
◼︎ 情報収集のコツはトピックだけを抽出すべし

突然ですが、情報の知り方についてお聞きしたいです。今日宇野さんに語ってもらいたいニュースがあるかな、と考えてふと気付きました。ここ1週間、新聞も読まず、テレビのニュースも目にしないで、好きなコンテンツだけ貪るという世間から背を向けた生活を送っていました。Twitterのニュースはかろうじて見ていますが、新聞各社の速報的な短文記事しか目にしておらず、ニュースリンクを煽り文とともに引用RTしている文を見て、嫌な気分になり閉じてしまうパターンがとてもい多いです。
以前は情報の正確性という点で、新聞やNHKニュースが一番だと勝手に信じて見るようにしていたんですが、気がつくと見ないことが多く、今では情報収集源をネットに依存しています。とはいえ、Twitterは趣味の情報ばかり目がいってしまうので、時事ニュースが頭に入ってきません。まとめニュースアプリなど、たくさんのツールを積極的に活用すべきでしょうか?
宇野さんはどのようなツールでどのように情報を得ていますか?(ミカエルさん 22歳 女性)

宇野 この執拗な描写、しかも整理された文章から、本当に嫌なんだなってことが伝わってきましたね(笑)。こういうことを言うとがっかりするかもしれないけれど、僕は基本的にテレビのニュースはほぼ見ないかな。ただ、ウェブでNHKとか朝日新聞のニュースをたまに目にすることはある。でも、自分から見に行くことはほとんどないですね。Facebookで気になるニュースが流れてきたときにクリックして、ついでにヘッドラインもチェックする感じです。TwitterやFacebookで、とにかく時事トピックにコメントするのが好きな人で、比較的信頼できてタイプの違う人を積極的にフォローして、その人たちの書き込みから芋づる式にたどることが多いですね。
NHKのニュースはダメだよ。あれは「海外と科学のニュースが極端に弱い」とずっと言われているんだよね。一番有名な話だと、「アラブの春」が起こったときに、エジプトの政権転覆をNHKはまったく放送しなかった。日本時間で昼間に起こったのに、夜9時のニュースで放送しなかったわけ。それぐらいNHKは、自分たちが半世紀以上かけて育てたテレビピープルの、お茶の間的な世界観をマストだと考えていて、そこから外れるものは、たとえエジプトの政権転覆であっても放送しないという価値観でやっているわけね。だからすごくドメスティックに閉じた世界なんですよ。
今回のアメリカの次期大統領選挙についても、なぜ日本人はヒラリーが勝つと思い込んでいたのかといえば、実は僕もそうだったんだけど、やはりメディアの影響が大きいんだよね。朝日新聞をはじめとする日本のリベラル系のメディアは、アメリカのリベラル系メディアや民主党系メディアと提携していて、その情報を流しているだけなんだよ。だから「ヒラリーが勝つ」というポジショントーク的な報道を、恐るべきことに何の批判も検証もしないまま垂れ流しているわけ。一方、読売新聞や産経新聞といった保守系メディアはドメスティックだから、そもそも提携をしていない。そういう理由で共和党側のポジショントークは流されずに、中和がされなかった。このリベラル系と保守系のメディアの機能不全については、今いろんな人が指摘しているけど、結構な問題だよね。
大学生で「俺はマスコミに就職するぜ」とか言ってるやつってパーで薄っぺらいでしょ。すべてのテレビマンが「鈍感なふりをすることが大人になることだ」と勘違いした可哀想な大人だとは、僕は思わないけれど、そんな人たちが選んでいるニュースには、当然、彼らの鈍感さが発揮されているわけです。だから、情報収集のコツとしては、中距離にいる人から情報を得ることかな。あんまり自分に近いと、人となりみたいなものを脳で加味しちゃって、あんまりそのニュースを正確に受け止められないと思うんだよね。ほどほどの距離感にいる人で、かつ情報をクリップするのが好きな暇な人。それを複数人用意しておいて、彼らのコメントは読まずに取り上げるニュースだけをチェックする。こういうことを言っちゃなんだけど、特に今の日本においてネットで時事ニュースにコメントしたがるなんてロクなやつじゃない。だからその人が取り上げているトピックだけをチェックするというのが正解だね。「NewsPicks」は経済に寄り過ぎていて、あまりにも文化的な感度が低いから、僕はそこまで好きじゃないけれど、「スマートニュース」とか、そういったまとめニュースアプリで扱われているトピックだけをチェックして、コメントは読まないというのがコツかな。

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