宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2019.09.19
  • 鷹鳥屋明

鷹鳥屋明 中東で一番有名な日本人 第22回 日本のゲーム産業を誘致できるか?飛び交う中東各国の思惑

鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。東京ゲームショーで存在感を増しつつある中東の国々。ドバイやアブダビは日本など海外の企業と協業するのみならず、中東のコンテンツ制作の拠点となる野心を抱いているようです。加えて今回は、9月14日にサウジアラビアの石油施設に対して行われたドローン攻撃、その政治的背景についても考察します。

TGS、東京ゲームショーが9月12日から15日までの間、開催されました。2日間のビジネスデイと2日間のパブリックデイで構成されており、今年の2019年はビジネスデイ2日間で約7万人近く、パブリックデイは約19万人近くの、合わせて約26万人の来場者だったそうです。

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実は去年に比べて若干の落ち込みがありましたが(去年は29万人の来場)それでも盛んであり、世界中からのゲームビジネスのハブであり、世界に向けて最新情報を発信する国際展示会の規模であると言えます。
様々な国の人たちが行き交う中で、ここ最近増えている地域に中東があります。これは私のポジショントークではなく、実際中東からのお客様が増えていると同時に、中東で行われるゲーム開発だけでなく、イベントなどで日本企業と一緒に何かをやりたい、コンテンツを持ってきて欲しいという中東企業が増えている証左と言えます。

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去年はゲームショーではなくアニメジャパンで、サウジアラビアの会社がブースを出して、SNKとのコラボレーションで『キング・オブ・ファイターズ』の新作に、中東からのデザインコンテストで優勝したキャラクターが起用された内容で、実装されたものが体験できるコーナーまで設けられていました。

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▲『キング・オブ・ファイターズ』の新作と、左にサウジ公募選抜のキャラクター

サウジアラビアではこちらかなりのニュースとなりましたが、残念ながらそこから弾みをつけて格闘ゲームが次々と生まれる、という展開にはならず、中東キャラクターを出す『ストリートファイター』『鉄拳』の新作に圧されて話題性は埋もれてしまいました。
まだまだプロジェクトベースや企画に関してはやはり大手には勝てないですが、徐々に「委託して作らせる」という段階から「日本企業や海外企業と協力して作品を作る」を経て、そろそろ自分たちで作品を作る段階まできているのではないかと考えさせられます。
第13回の「中東に本当に廃課金ユーザーは多いのか?」の記事で書いたように、eスポーツの分野において中東が日本に向ける目は熱いものになっています。第13回の記事にも書いた2018年8月17日に調印された「日本・サウジアラビアeスポーツマッチ」は、本来なら2019年の1月に開催される予定でしたが、某事件の影響を受けてこちらは延期となり、未だ開催されておりませんし、なかなか進む気配もなさそうです。
日本との交流は政治的な理由により難しくなっておりますが、ゲーム人口が人口比率の中でなかなか高い中東産油国諸国のゲーマーの方々は、かなりの腕前を持っています。『FIFA2018』の優勝者は当時18歳のサウジアラビア人、モサード・アルドラーシ氏でした。eスポーツ関連のイベントは中東全域で大規模、小規模を含めて毎年様々な場所で開催されています。今回の東京ゲームショーにもサウジアラビア政府、バーレーン政府、バーレーン商工会議所、アラブ首長国連邦ドバイ首長国、エジプトなどなどの中東諸国からの視察、参加が多くありました。

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