宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2021.09.13

働き方イノベーターは幻想が得意 ──(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革 第17回〈リニューアル配信〉

(ほぼ)毎週月曜日は、大手文具メーカー・コクヨに勤めながら「働き方改革アドバイザー」として活躍する坂本崇博さんの好評連載「(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革」を大幅に加筆再構成してリニューアル配信しています。
働き方改革が実行されたあとの環境を詳細に思い描くことができる、「幻想力」とも言うべき能力。その資質を持つ人の特徴や十分に力が発揮されうる環境について紹介します。

(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革〈リニューアル配信〉
第17回 働き方イノベーターは幻想が得意

あらすじ

私の働き方改革を実践できる働き方イノベーターの素養の3つ目として、「周囲からすると突拍子もない、非現実的に思える改革アイデアを、あたかも当然できることのように語る」という点が挙げられます。
彼らイノベーターは、多くの人が「変えられない与件」として置いている前提から覆してしまいます。伝統や固定概念にとらわれず、異なる世界で得られた豊富な選択肢や知識をうまく組み合わせて自分の仕事に当てはめて、やる事・やり方・やる力を変えてしまいます。
この能力は単に「アイデア発想力がある」という表現に留まらず、「幻想力」の域に到達しているのではないかと考えます。
今回からは、働き方イノベーターの「幻想力」に着目し、なぜそれが重要かについて考えていきたいと思います。

改革には幻想することが欠かせない

働き方改革に限らないかもしれませんが、何かを改革し、新しいやる事・やり方・やる力にシフトするにあたっては、明確なやりたいこと(志事)を持つことや幅広い選択肢を知っていることに加えて、「具体的にどう変えればいいかイメージができる」ことも不可欠です。
たとえば、営業スタイルを改革する上で、「会いに行くのではなく、来てもらえないか」という新しい選択肢を閃くだけではなく、具体的にセミナー型での集客という手法やその実現方法、さらにそれを社内に説得して賛同を集め進めていくプロセスについてもイメージができることが必要です。そうしなければ、選択肢が浮かんだだけで、自分自身ですら説得することができず、その実現に向けて一歩踏み出すことができないでしょう。
もう一つ例を挙げると、以前私は組織内のメンバーが作成した資料をデータベース(DB)で共有化することで、新たな資料づくりの素材として活用することができて効率化につながると考えました。しかしさらに思考を進めてより具体的に自分がそのDBを利用しようとしているシーンをイメージしていった結果、「私だったら忙しいのにわざわざ人のために資料を投入することはしない」というとても残念な結論に至ったのです。
そこでさらに思考を進め「では自分はどういう状況なら自分で作成した資料を人に渡すのか?」と自問していろいろなシーンを想像してみたところ「自分が途中まで作った資料の仕上げを代わりに整えてくれる人がいれば、その人になら喜んで自分の資料を渡す」と気づいたのです。さらに、その人から笑顔で「この資料いいですね! 他の人にも是非紹介していいですか?」と聞かれれば、きっと自分の資料をほめられたことに嬉しくなってうなずくであろうこともイメージができました。
こうしたイメージの結果、新たな事業として、「ナレッジコンシェルジュ」というサービスが誕生しました。これは、コンシェルジュという「コミュニケーション上手」な人が社内に常駐して、資料の作成を代行したり、集まった資料を作成者の許可を得て公開・発信するサービスで、今でも多くの企業で働き方改革の手段の一つとして採用いただいています。

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