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  • 2016.03.25
  • 井上敏樹,宇野常寛,白倉伸一郎

井上敏樹×白倉伸一郎 緊急対談 映画〈仮面ライダー1号〉公開記念 変身し続ける男たち・後編(宇野常寛の対話と講義録・毎週金曜配信)

今朝のメルマガでは、3月26日から公開になる新作映画『仮面ライダー1号』の脚本を手掛けた井上敏樹さんと、プロデューサーの白倉伸一郎さんの対談の後編をお届けします。お二人が手掛けた平成ライダーシリーズ製作時の裏話や、特撮ヒーローものの理想と本質について、存分に語っていただきました。


◎構成:有田シュン

前編はこちらから。

■もう一つの見どころ・新旧ショッカー対決

宇野 白倉さんはプロデューサーとして、お話以外だとここがポイントだとか、ここで苦労したとかありますか?

白倉 真面目な話、完成してくると苦労って飛んじゃうんですよね。何年か経って見返すと「あー、あの時はなあ……」ってなっちゃうんだけど(笑)。ベタな話だけど、一番苦労したのはスケジュール関係です。

井上 俺のところに依頼来た時も結構ギリギリだったよね。すごい切羽詰ったスケジュールで、彼は映画を作るに当って色々調整してたけど、こっちは全然知らなかったんだよ。突然電話かかってきてプロットを出すんだけど、いつまでに仕上げろっていう締め切りがないのよ。締め切りがないのって一番怖いんだよね(笑)。

宇野 プロットから脚本にはスムーズに行けた感じですか?

井上 今回脚本を書くのに結構体力を使った。一番苦労したのは、全体の構造かな。当然ゴーストも出るわけじゃない? 新しいライダーとどういうふうに接点を持つかとか、ヒロインとの関係とかのバランス。そして構造、全体の雰囲気を整えるのが大変だった。

白倉 最初の頃、プロットになる前に冒頭のシーンとか地獄大使のこととか、思いついたことをご相談させていただきました。

井上 地獄大使には思い入れあるんだよ。俺の中では本郷猛って言えば地獄大使なわけよ。本郷猛が出るんだったら地獄大使も出そうと(笑)。何十年ぶりに出会って、ただの敵じゃつまらないじゃない? 両者の触れ合いみたいなものも含めて、最後にうまく集約するような構造になっていて、そのいいポイントに地獄大使がいるみたいなね。(地獄大使は)いい味付けになってるよね。

白倉 味付けというか、ひとつの大きい幹になってると思います。地獄大使を演じる大杉漣さんは、『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』にも地獄大使役で出られたことがあって、(ディケイドとは)全然つながりはないんだけど、今回はすごく大事な役だからお願いすることにしました。大森プロデューサーが「地獄大使役なんですけども」って電話したら、まだ内容とか台本とかそういうの説明する前に「出る出る、出る出る」って(笑)。

井上 本人も楽しんだんだろうな。

白倉 大杉さん本人からは、「こういう役柄は願っても得られない役」「他では絶対できない役だから絶対やりたかったし、すごく楽しい」と言ってもらえた。楽しいって言いながら、毎日朝から晩まで拘束されるんだけども(笑)。藤岡さんとそう大きくは年齢は変わらないけど、現場では(藤岡のことを)「先輩」って呼んでます。初共演だったみたいです。大杉さんとしては、藤岡さんと共演できるというのも大きなモチベーションだったようです。

井上 悩んだところと言えば、ショッカーで結構悩んだかな。1号の時、ショッカーの目的って世界征服じゃん。でも、今「世界征服」ってなんだって話じゃない。

宇野 そうですね。そこに意味があるのと。

井上 だから今回、ショッカーを新勢力と旧勢力に分けたんだよ。そこも見所だな。

白倉 そうですね。『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』で、なんとなくライダー側の世代間対立みたいなものは描かれているんだけど、今回はショッカー側でそういうのが描かれるというのが新しい趣向。新ショッカーの言うことも、もっともなんだよね。「これからは経済だ!」って(笑)。皆、拍手喝采して新ショッカー側に付くっていうね。

井上 そこで地獄大使が出てくるわけよ。「そんなこと言っちゃいけないよ、君たち」って。

白倉 旧ショッカーって言うと語弊があるけど、にわかに世界征服っていう錆付いた言葉を振りかざしてるのが可愛く見えてくる。いつまでも少年の夢を追い続けてそのまま大人になったような(笑)。

井上 そうそう。しかも、世界征服って地球を征服するということだから環境を大事にしてるんだよな。穢れた地球は嫌なわけじゃない? だから地獄大使たちは環境を守る派なのよ。綺麗な地球が欲しいわけ。

白倉 それ以上言うとネタバレだけども(笑)、今回のショッカーさんたちは、戦闘員に至るまで大変に魅力的です。

井上 戦闘員同士の喧嘩もあるのよ。旧ショッカーと新ショッカーの罵り合いもあるんだけど、言葉が「イーッ!」「キーッ!」で何を言ってるかわかんないの。

白倉 ここは見所ですよね。ただ元々ショッカーという一枚岩の組織の中にいた知り合いがふたつの派閥に分かれたという設定だから罵り合って殴り合いになるんだけど、その一方で「殴ってごめん!」みたい気持ちもあってすんごい面白い。「お前こっちに来いよー」「何言ってるんだ! ショッカーに対する忠誠はどうしたんだ?」ってことを「イーッ!」「イーッ!」って言ってる(笑)。

井上 飲み屋の親友同士の喧嘩なんだよね。俺、このときがシナリオ書いてて一番楽かった。

白倉 いいですね。ものすごい感情移入しちゃう。逆に言えば、楽しいシーンってあそこぐらいまでかな。最初は緩いんだけど、段々ハードになっていきます。徐々に真剣味を増してくという流れは素晴らしい。近年の作品の中では、すごく映画らしい映画になってると思います。

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■名作『パラダイス・ロスト』制作裏話

白倉 さっきの話じゃないけど、映画監督協会のイベントで『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』上映会があったんですが、13年ぶりに観てきました。びっくりするくらい、すごくいい映画なんですよ。

井上 あれは傑作だね。

白倉 (井上と)一緒に缶詰めになった二週間とか、色んな思い出もよぎってくるんですが、それとはまた別次元で純粋に観客として「これ面白いなあ」ってワクワクしてる自分もいたりする。一応プロだから、今回も『仮面ライダー1号』が完成したとかって言っても虚心坦懐観ないですよね。でも十数年経つと観れちゃう。もう仮面舞踏会のあたりは号泣してしまう。何が言いたいかというと、なぜ当時あれができたのか。なぜ当時、一生懸命生きることができたのか。今、次の夏の映画をやるにあたり、あそこまでのものができるのだろうか。難しいなって思っちゃう。

井上 お前ならできるよ。要はロケット発進の準備があるじゃない。『555』って、その準備があったんだよ。

白倉 『アギト』、『龍騎』とね。『パラダイス・ロスト』は無茶苦茶でしたからね。もう「テレビで作ったものは、555のスーツ以外一切使わん」みたいなね。そういう覚悟があった。

井上 映画作り、テレビ作りってそれが魅力なんじゃない? 皆の情熱が結晶して、それが段々と盛り上がっていくのっていいよね。

白倉 命がけだったんだろうなあ。

井上 超缶詰めだったもんね。覚えてるのが、桜が咲き始めた時期にホテルに入って、桜が散るころに出たってこと。ふたりで続き部屋のスイートルームに入ったんだよ。これは被害妄想なんだけど、仕事してちょっと休もうとベッドに横になると、ドア一枚隔てた部屋から「ゴホン、ゴホン」って咳払いが聞こえるんだ。「やべえ! 白倉、見てるんじゃねえか!」って(笑)。で、「今日、何か買ってきて欲しいものある?」って白倉が聞いてきて、俺が「歯磨き粉!」ってまるで(白倉が)女房みたいになってんの。それが2、3週間くらい続いた。

宇野 『パラダイス・ロスト』当時というと平成ライダーの勃興期で、今みたいに若い特撮ファンもボリュームをなしてなくて、一般的なテレビ好きやサブカルチャー好きの大学生とか若いサラリーマンの間で、「日曜朝の仮面ライダーって頭おかしいよね」みたいに盛り上がってた記憶があります。今、平成ライダーは安定期には入っていますが、その頃のような攻撃力を失ってる気もしますね。

井上 それはすごく分かる。

白倉 良く悪くもそうなんですよね。良い意味では、作り手側にも定着したということなんですよね。

井上 すごくいいこと言ってる。お前の言いたいことを引き継ぐと、今、みんな仕事をしちゃうんだよ。ちょっと微妙な言い方なんだけど、仕事するといい作品はできない。決まりきったことを仕事として積み上げちゃうと、それは平凡なものにしかならない。いかに仕事をしないで作品を作るかというのが大事。

■『仮面ライダー』は何と戦っているのか

白倉 テレビ屋として言うと、目指すのは『サザエさん』の域なんです。『サザエさん』って、それこそ雪室俊一さんみたいなすごい腕っ節のある脚本家じゃなきゃ務まらないくらい難しい。だけど、全国民が「『サザエさん』って日曜のあの時間にあって当たり前」って思ってるじゃないですか。その域に至るというのは、自分を含めたテレビ屋の夢なんですよね。だから平成ライダーで言えば、良くも悪くも『仮面ライダー』があって当たり前というのはひとつのゴールなんです。なんか変なことをやってるな、とかじゃなくて、あって当たり前となって欲しい。でもそれが観てて面白いかどうかはまた別問題ですよね。例えば『サザエさん』は毎週見なくてもいいわけですよ。

井上 『仮面ライダー』と『サザエさん』が一緒っていうのはちょっと違うよ。『サザエさん』は日本の原風景だから、背後に流しても邪魔にならないんだよ。でも『仮面ライダー』ってどこの原風景でもないからね(笑)。

白倉 確かに戦ってなんぼという部分はありますね。だからそこがジレンマなんです。「化け物が出てきてそれをやっつける仮面ライダーがいます」って、化け物が出てくるってだけで突拍子もない事態なわけですよね。

井上 ただ最近思うのが、化け物が出てくるシチュエーションって、最早そんなに大したショックじゃないでしょ。テレビ文化の中で観てる人にとっては、化け物が出てくる状況ってもはや日常なんじゃないかと思う。だから、ある意味『サザエさん』の域になりつつあるかもしれない。化け物が出てくるのを日常化した方がいいのか、しないほうがいいのか微妙なところだよ。俺はしない方がいい派。

白倉 テレビ屋としては『サザエさん』のように日常化したい方です。

井上 俺の勘だとそれは失敗する(笑)。

白倉 テレビ屋としてはそちらに行きたいと思いながらも、自分はそういう仕事ができないからそこに行かないんです。ただ『パラダイス・ロスト』を観てて思ったのは、あの映画の中で、例えば巧がオルフェノクであるというのは映画でも前フリしてるし、テレビシリーズでも第1話から伏線を張っているわけじゃないですか。でも当時、観た人はすごくショックを受けてるんです。今の話で言うと、それが怪人が日常じゃなくなる瞬間なわけですよね。『仮面ライダー』には怪人が出てきて、それをライダーがやっつけて当たり前。それでその当たり前が本当は当たり前じゃなかったんだっていうことを観客に突きつけた瞬間なんです。それは緻密に巧や真理というキャラクターの描写を積み重ねた結果としてある。

井上 大事だよね。あれは積み重ねだよ。1回しか使えないけどな。……ちょっとオシッコしてきていい?(中座する)

宇野 敏樹さんがトイレ行ってる間に少しだけお話させていただきたいんですが、僕は今の仮面ライダーが何と戦ってるかよく分からないんですよ。例えば『アギト』を観てたとき、僕はドラマオタクの大学生だったんですが、たまたま見た第13話か、14話で衝撃を受けたんですよね。東映がアメリカン・サイコサスペンスをどう日本的に翻案するかをかなり本気でやっていることに相当ビビったんです。特撮ヒーローのフォーマットや警察モノのノウハウを総動員して、1年間放送する『仮面ライダー』という枠の中で日本なりのサイコサスペンスをやりきろうとしていたことに、特撮ファンではなくドラマファンとして驚いた記憶があります。ああいった仮想敵がいまの『仮面ライダー』という番組にはない気がする。

白倉 言葉を選ばないといけないけど、『平成ライダー』自身が仮想敵になっている気がする。かつての『クウガ』などは昭和ライダーが仮想敵だったし、『アギト』の頃は、朝の枠で1年間やれるドラマというものがないので、ここからどんな変革を起こせるだろうという気持ちが確かにありました。井上さんにおけるサイコサスペンスは、たぶん『ツイン・ピークス』なのかな。

井上 (戻ってきて)そうですね。

宇野 京本政樹さんが出てくる特番『仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身』を放送したとき、普通のドラマファンが「何だ、これ」「(良い意味で)頭がおかしい」とザワザワしたのを未だに覚えています。ライトノベルやゲームなどを含めて「日本でこんなことやってるヤツらがいるんだ」と、色んなところに衝撃を与えた瞬間だと思います。

■一丸となって作り上げた『シャンゼリオン』

宇野 今回の『仮面ライダー1号』もそうなんですが、やはりファンの間では井上さんと白倉さんがタッグを組んだ映画を年に1回は観たいという気持ちが強いと思います。

白倉 それ、何のファンですか?

井上 そんなファン見たことないよ(笑)。

宇野 今、平成初期生まれが大学生とか社会人になり始めて、そろそろ二世が生まれるタイミングだと思うんですよ。そういう時期に、平成ライダー初期のテイストを、もしテレビだと難しいようなら、映画でも観ることができたら面白いと思うんです。

白倉 今回の『1号』は平成テイストではなく、『1号』テイスト。それも昔の1号ではなく、今の『1号』ですけどね。

井上 そういうのは、なるようになりゃいいのよ。別に俺と白倉が組んだからと言って、常にいいものができるわけじゃない。また白倉と組んで欲しいとか、よく言われたりもするけど、そんなの大きなお世話。無責任な奴らがそんなこと言うんだよ。

宇野 でもファンって無責任な期待をする生き物じゃないですか。

白倉 そういうのは分からないけど、井上さん。『仮面ライダー』じゃないかもしれないけど、また組んで大失敗作を作りましょうよ。『超光戦士シャンゼリオン』みたいな。

井上 もっと失敗しようよ。もう東映が潰れる、みたいなのをやって真の伝説になろう。そしたら2人も宇野に雇ってもらおうよ(笑)。

白倉 『シャンゼリオン』なんて20年前の作品ですよ。それが未だに伝説の失敗作として言及される……。

井上 あれは大成功だよ(笑)。

白倉 我々にとってはね。20年間言われ続けるっていうのは、まだあれを超えられてない。もっと失敗しないとダメだね。『パラダイス・ロスト』は名作だから観ると感動しちゃうんだけど、『シャンゼリオン』なんかは今観るといろんな意味で痛い(笑)。

井上 俺は観ないようにしてる(笑)。でもファンは多いよね。

宇野 僕も大好きですね。

白倉 今『シャンゼリオン』を観ると「あぁ! 痛い!」ってなる。痛いっていうのは番組として痛いってだけじゃなくて、今の自分だったら絶対にやらないことをやってるから。特に後半がそうで、中でも36話のニュース編とか。

宇野 あー、某局で放送できなかったヤツですよね。

白倉 3、4話あたりから道を踏み外して……いや、1話からか。でもやってよかった。色んな意味で。

井上 今でも俺が書く脚本って変わってないな(笑)。

宇野 放送されていた96~97年って、テレビがカルトだった最後の瞬間という感じもします。

白倉 裁判編あたりから、番組として面白いことをしようという風にシフトしていくんです。と同時に、それはヒーローものとしてどうだとか、探偵って設定をどうすんだとか、裁判までできる番組ってなかなかないよな、というようなことを考えてた。

井上 今、振り返ってみると『シャンゼリオン』の脚本が一番大変だった。

白倉 あれほど苦しんでいた井上さんを見るのは、後にも先にも『シャンゼリオン』しかなかった。

井上 スラップスティック、いわゆるドタバタってアイディアが一番必要で、しかも知的に制御しなきゃいけないんだよ。矛盾する作業を同時に行う感じがある。だから白倉も心配して、よく家に来てたよね。

白倉 後半はほぼ毎回行っていました。

井上 半分は、俺が遊びに行かないように見張るというのが目的なんだけどね(笑)。あの時、いくつだった?

白倉 20年前だから、30歳前です。

井上 俺は、33~34歳かな。シナリオは一番苦労したけど、ああいうのでパッといいものができると、嬉しかったね。

白倉 この作品では「脚本が書けない、来い」って言われて井上邸に呼ばれて、こういうアイディアはどうだ、ああいうアイディアはどうですかって打ち合わせをさせてもらった経験が大きかったですね。脚本家っていうのは、こういう風にものを思考し、こういう風にものを捨てるんだ、ということをすごく学ばせてもらいました。非常にいい勉強になりましたね。

井上 辛かったけど、楽しかったよ。あの一年で、ちょっと髪が薄くなったけど。

白倉 『シャンゼリオン』ではやりつくしたというか、テレビというものが少し分かってきたような気がします。その放送が終わると同時に、今度はテレビ朝日に出向になると。

井上 でも、それでよかったんじゃない? ワインも覚えられたし(笑)。

白倉 そうそう。ワインを覚えたのと、テレビというものが何なのか分かった。

宇野 白倉さんがその出向期間に受け取った、テレビの本質とは何ですか?

白倉 本質ではないのかもしれないですけど、視聴者というのはいわゆるザッピングというか、何か面白い番組あるかなと思ってチャンネルを回す。そして、前の番組が面白かったから、その後もだらだらと見続ける。その縦と横の流れがあるんですが、現場にどっぷり漬かっているとそういう感覚がなくなるんです。『シャンゼリオン』はこの作品自体を面白くしようと考えていた。でも、やはり基本的にはスポーツ中継だったり、天気予報だったり、歌番組だったりと、特に生放送がテレビの本質だった。つまりドラマジャンルっていうのはあくまでイレギュラーなものだということですね。

井上 ちょっと話が変わるんだけど、『シャンゼリオン』って、けっこうスタッフ一丸で作ってたじゃない? 俺もだまされているところもあったんだけど、みんな「これがいいんだ」みたいな(笑)。若かったんだろうね。だから、みんな一丸となってバーって行ってたんだけど、そのノリっていうか番組作りの情熱というのは、あれはあれで正しかったと思う。そのノリは『パラダイス・ロスト』に通じるところがある。俺、『シャンゼリオン』の映画が書きたいもん(笑)。

宇野 20年後の『シャンゼリオン』。いいじゃないですか。

井上 『シャンゼリオン』とは、未だに付き合っているからね。

白倉 萩野君も相澤一成君も、まだ現役でやっていますもんね。

井上 (荻野は)相変わらずパーだよ(笑)。

白倉 そこがいいところなんだよ。いい奴ですよね。

井上 憎めない奴だよね。やっぱ俳優って憎めないことが大事なんだよね。出世する俳優って、どこか憎めないんだよ。

■視聴者コメントに回答!

宇野 放送時間も残り10分ぐらいです。滅多にない機会ということで、視聴者の皆さんも常識の範囲でおふたりに、ぶっちゃけて聞いてみたいことをコメントしてください。

井上 いいよ、非常識でも。

(コメント) 『アクティヴレイド』見ています?

白倉 荒川稔久さんが書いているアニメか。警察とロボット二体で事件解決するやつですよね。これ勉強になるから見ろよって言われて観たけど、面白いですね。

井上 俺も二本書いてるよ(笑)。面白いの?

白倉 参考になる!

(コメント)アニメと実写って違いあるんですか? 井上さん。

井上 俺の中では、全然違う。俺、オンエアは実写しか見ないの。俳優の表情とかにすごく興味があるんだよね。俳優や監督に任せられるから、ト書きも実写の方が少なく済む。反対に、アニメは細かく書くかな。

白倉 そういえば、ト書きは書かないですよね。

井上 実写の場合は、書かない方が伝わる。アニメって意外と伝わらないんだよね。絵コンテマンの能力次第だから、アニメだと結構書いちゃうかな。

白倉 でも、見てもないのに伝わったかどうか分からないじゃないですか?

井上 本読みのときに分かる。

白倉 ああ、打ち合わせでね。でも、それは人に期待しすぎ。ほとんどの人は、脚本なんか読めないですよ。

井上 それは分かってる(笑)。そんな現場も長いから、よく分かってます。だから最近はそんなに期待はしないかな。でもたまに分かる人がいると嬉しいよね。俺、未だに「何でこんなのが分からないの」ってイライラするんですよ。説明したくもない。だから、最近売れている奴らは、きれいにまとめる脚本を書くことが多いんだよね。ちょっと愚痴っぽいけど、皆、出てくる意見をまとめてから書くんです。それは作家じゃない。

白倉 でも言うことを聞いてくれるから、その方が評判いいですよね。俺は逆にイラっとしますが。

井上 俺、話を聞くじゃん。

白倉 いや、聞いてくれますけどね。小林靖子さんも聞いてくれるけど、聞いて考えた上で「それ違うんじゃない」って却下もする。

(コメント)『仮面ライダーTHE NEXT』の続編ってないんですか?

白倉 『THE LAST』とか『THE PIANIST』とか色々やりたいんですけど。

井上 なんだよそれ(笑)。

白倉 ファーストとかネクストときたから、次も「○○スト」をやってみたいなと。

(コメント)漫画版『仮面ライダークウガ』の映像化はどうなったんですか?

井上 俺、『クウガ』は結構マジメにやっているんだよ(笑)。一応、俺的にはオリジナルの特撮版『クウガ』を大事にしながら全く新しい素材をぶちこんでる。だから『クウガ』ファンも嫌いな人でも読めるようにしてあるんだよ。

白倉 でも春日編は長かった。

井上 不満があるの?

白倉 いやあ、長いなーって(笑)。

井上 いい話だから長いんだよ。これが終わったら、もっとぬるい話やろうと思っている。妹がふ
たり出るダブル妹編。

白倉 それはゆるいな。お客さんにはその方がいいのかもね。

■若者は一生懸命に生きろ!

宇野 最後に改めて、今回の『仮面ライダー1号』への意気込み、PRをお願いします。

井上 男女差別するわけじゃないけど、今回は本郷猛という男の生き様の話。見る人がどう思おうと自由なんだけど、さっきから言っている通り一生懸命生きるってすげえ大事なことだと思うんだよ。でも一生懸命って言葉の意味を分かってない人が多い。一生懸命やってないし、努力の仕方が分かってない人が多い気がする。でも、やっぱり人間って死ぬからね。単純に言えば、死ぬまでにやりたいことやった方がいいよってことよ。意外とみんな分かってないんだよね。単純なことほど難しいけど、何でもかんでも一生懸命やっているほうが楽しいんだよね。

白倉 最近の若いものは論になっちゃうけどなあ。

井上 でも大事なことだよ。最近の若い者は、って言うとおっさんくさいけど。まあ人生は楽しい方がいいじゃない。楽しむ方法は一生懸命やることだよ。ただ一生懸命生きる方法って皆、分かってないんだよね。それを今回の『仮面ライダー1号』は教えてくれるかもしれないってことかな。

宇野 ありがとうございました。まさか敏樹さんからそういう言葉が聞けるとは思いませんでした。

白倉 こう見えて、マジメですよね。

井上 俺はすごくマジメだよ。今も横断歩道は手を挙げて渡ってるもん(笑)。

白倉 それは作ってるな(笑)。

宇野 そんなの一回も見たことないですよ(笑)。ということで、おふたりにはたくさんお話を伺いましたがそろそろお時間です。仮面ライダー45周年記念映画『仮面ライダー1号』は、3月26日公開です。今回は舞台挨拶とか出られるんですか?

白倉 大先生は出られないよ。

井上 俺出ないよ。感じ悪いから(笑)。子供が泣くからね。白倉から、3万円あげるからやめてって言われた(笑)。

宇野 ちなみに『3号』に対する『4号』、みたいなスピンオフはあるんですか?

白倉 全然違う形であるかもしれないし、ないかもしれない。

宇野 なるほど。

井上 『仮面ライダー1号』を観たら、たぶん誰も後悔しないよね。それは自信がある。

白倉 ほぼ完成しつつあるんですけど、終わりの方とかやっぱ涙がにじみますよ。

井上 俺、書きながら泣いたもん。ほんと。色々といいシーン、印象に残るシーンがある。

白倉 あと地獄大使ですね。

井上 地獄大使いいよね。

白倉 あと、『ゴースト』勢もいいんですよ。昨日か一昨日か、俺、御成が俳句を詠んでいる夢を見たもの。何で御成の夢見るのかなあ。お迎えなのかな(笑)。俳句を詠んでるというのは、大先生が憑依していたのかも。

宇野 ということで、今回はお忙しい中ありがとうございました。ではみなさん、改めて3月26日の『仮面ライダー1号』の公開をお楽しみください。

白倉 よろしくお願いします。

井上 へん~~~~~~しん~~~~~!!!!!!!

一同 (笑)

(了)

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