宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

Serial

  • 2019.12.17
  • 坂本崇博

【新連載】坂本崇博(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革 第1回「働き方改革、いりませんか?」

今月から、大手文具メーカー・コクヨに勤めながら「働き方改革アドバイザー」として活躍する坂本崇博さんの新連載がスタートします。時代のトレンドワードになるはるか以前から、独自の「働き方改革」を提唱してきた坂本さん。スローガン先行のブームとは一線を画す、ほんとうに自分自身が幸福になるための働き方の極意を、ゼロから語り伝えていきます。

はじめに

10年くらい前のことです。まだ日本では「働き方改革」という言葉は浸透していなかった時代のこと。コクヨという会社のいち営業マンだった私は、あるきっかけから自分で、自主的に「働き方改革」をはじめました。会社の命令があったわけでも、行政の指導があったわけでもありません。あくまで私が私の仕事と生活とを充実させるために、勝手に始めたことです。それが、どういうわけか会社や仕事仲間たちから評価を受けてしまい、いまではでコンサルティングアドバイザーを名乗り、さまざまな企業から対価をいただいて助言を提供する仕事を行うようになりました。

あれから10年、いま日本では「働き方改革」がすっかりブームです。私の仕事も、そんな世の中の流れの中で注目されるようになってきたのですが、正直言ってここ数年の「働き方改革」ブームには少なからず「違和感」があります。

たとえば、夜になるとオフィスが消灯され、中途半端に仕事を切り上げた社員らが駅に向かってどんよりした表情で列を成していたり。オフィスをかっこよくフリーアドレスにしてみたはいいけれど、毎日同じ席に座って「何が変わったんだ?」と首を傾げたり。会議をペーパーレスにして配布資料をゼロにしたところ、部長クラスから「情報が頭に入ってこない」と不評で、部長にだけは紙資料が配布されるようになったり。

こうした昨今の日本の「働き方改革」に対して、10年前から自分なりに「働き方改革」に向き合い、実践してきた人間としてこの連載ではじっくりとその「本質」について向かい合い、深掘りしていきたいと考えています。

とはいえ、私は働き方改革を否定しているわけではありません。今日本を騒がせている「働き方改革」に必要なのは、現場で起きている問題をいったん批判的に眺めつつも、しかしそれでいて「働き方改革なんてくだらない国策である」と否定し目と耳を塞ぐことなく、よい「働き方」とは何か、そのために必要な「改革」とは何かをゼロから考える姿勢であると考えています。すなわち、働き方改革ブームを再構築したい、つまり「働き方改革を改革」したいのです。

私の考えでは「働き方改革」とは国や会社が強制的に進めるものではなく、ランニングやスポーツ観戦、映画鑑賞、フィギュア収集など、私たちが一生をより楽しく過ごす上で欠かせない「人生充実アクティビティ」の1つです。なので「私の」働き方改革という視点を大事にしたいと思います。そして私自身の経験やそこから得られた視点をベースに考えていきたいと思います。「働き方改革」の担い手は国でも会社でもなく、私たちひとりひとりなのです。

この連載を通じて、皆様にとって、働き方改革もしくは生き方改革がもっと身近になり、今の仕事に加えてやってみたい「志事(しごと)」として加わって、結果として、人生をもっと謳歌するきっかけにつながれば幸甚です。

自称「働き方改革アドバイザー 坂本」

そのようなわけで私は、10年くらい前から「きっと日本じゅうで働き方改革(オフィスワーカーの生産性向上)は流行る」と思い込み、コクヨという事務用品メーカーで営業や新規事業開発の仕事をしながら、「働き方改革アドバイザー」と勝手に名乗りはじめました。

なぜなら、新入りサラリーマンの私にとって、日本の企業戦士らの「働き方」は、大いに改革余地があるように映ったからです。

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