宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

Serial

  • 2015.11.02
  • THEHANGOUT書き起こし,宇野常寛

月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」10月26日放送書き起こし!

大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!


 


▲先週の放送は、こちらからお聴きいただけます!

■オープニングトーク

宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。先週の土曜日に、神戸に行ってきました。2週連続の関西出張で、しかも今週末は岩手に出張が決まっています。秋は文化イベントのシーズンなので、僕としては忙しいんですよね。

神戸の出張は、灘にある兵庫県立美術館で開催中の「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展での講演でした。実はつい最近まで六本木でもやっていた展示で、それがいま、神戸でやっているんです。当日は、朝8時ごろの新幹線に乗って、講演して戻ってくるというハードスケジュールの予定だったんです。でも講演が終わったあたりで、ちょっと疲れたから、自腹でもいいから京都で1泊して帰ろうと思ったんですよ。そしたらマジで宿がなかったんです。

秋の京都って、通常の状態でも週末の宿泊はわりとパンクするんですよね。ところがここ2〜3年は、中国とかあっちの方の大陸からの観光客がガンガン増えているみたいで、さらにホテルがないみたいなんですよ。普通のビジネスホテルだと、2万円くらいの一番いい部屋とかしか空いていない状態なんですよね。これはもう泊まるのは無理だなと思って、おとなしく帰ることにしたんですよ。でも、せっかく関西に来たんだから、せめて好きなものを食べて帰ろうと思って、僕が京都の学生時代によく通っていたジャンボというお好み焼き屋に寄って帰ることに決めたんです。

ここもすごく有名なお店なので、土曜日の夜とかだと、1時間待ちとかざらにあるんですよね。ただ、僕はそのお店の近くに7年間住んでいた元常連なので、攻略法を知っているんです。京都駅に着いた瞬間にお店に電話して、「お持ち帰り予約」というのをしておくんですよ。で、お店では商品を受け取るだけにするんです。そのときは東京へのおみやげ用に、2〜3人前くらいけっこう多めに頼んだんです。これ、われながら秀逸なアイデアだなと思いましたね。

JRの新快速で京都まで行って、山陰本線で乗り換えるかたちで円町という駅で降りて、タクシーでお店の前に行ったんです。案の定、30人くらいが列をなしていて、普通に並んだら1時間半くらい待ったと思うんです。これは読みが当たったなと思って、長蛇の列を尻目に僕は颯爽と店の中に入るわけですよ。「みなさん長々とご苦労さまです」みたいな感じで(笑)。そして、お好み焼きと焼きそばの大盛りを持ち帰って、店の前で待ってもらっていたタクシーに戻ったんです。それで上機嫌に「おっちゃん!京都駅までよろしく!」と、タクシーの運転手さんに言った時、僕はお腹が空いていることに気づいたんですよ。

すかさず運転手さんの顔を覗いてみたら、60歳くらいの人の良さそうなおじさんで、「この人はあんまり怖そうじゃないな」と思って、おそるおそるこう訪ねてみたんです。「おっちゃんさ、ちょっとお腹がすいたんだけど、食べていい?」って。そしたら「ああ、ええでええで。でもこぼしても怒らんといてな。運転荒いから(笑)」と、すごく気前よくオーケーしてくれたんです。この会話がきっかけになって、すごく話が弾んだんです。

「おにいちゃん、東京の人?」「そうっすね。もう7〜8年前かな、昔この辺に住んでてね」みたいな地元トークを、焼きそばをズルズル食べながら話したんです。「え、どこ住んどったん?」「妙心寺の南門かな」「じゃあよくジャンボとか行きよったろ」みたいな感じで、とにかくすごく盛り上がるんです。そのおじさん自体がジャンボの2階にある、同じ経営者が務めている雀荘の常連だったらしくて、それで京都市右京区・北区周辺のローカルトークがめちゃくちゃ花開いたんですよね。ちょうど四条大宮のあたりを通ると、大宮東映とかがなくなった問題とかについて語りましたね。「あそこは昔ヤクザ映画とかよくみとったな〜」とかって懐かしそうに言っていました。

さらに、その運転手さんが今住んでいるところが、僕が昔住んでいたところとすごく近かったんです。それで「JR二条駅にあるシネコンに入っているめし屋で何がうまいか」みたいな話を延々としていたんですよ。なんか向こうも僕のことをけっこう気に入ってくれたみたいで、10分から20分くらい、二人ですごく楽しい時間を過ごしました。それで京都駅が近づいてきて、いよいよお別れだなという時に、運転手さんが気を遣って「おにいちゃん、そのお好み焼き、新幹線の中で食うんか」とかって聞いてくれたんですよ。車内でけっこう食べたんだけど、2〜3人前を注文しているから、焼きそばもお好み焼きもまだ大量に残っている状態だったんですよね。「あとは持ち帰って、東京のおみやげにしようかなと思っているんですよ」って言ったら、「じゃあ、ナイロン袋あるから持って行きや。匂い大変やろうから」と言って、「これに入れたらええねん」と、唐突にカバンをカザゴソと探って、ナイロン袋を取り出してくれているんですよ。

めちゃくちゃ親切な人だなと思って、すごく感動したんですよ。僕は「本当ですか!ありがとうございます!」ってこたえて待っていると、なんか運転手さんが黄色いものを取り出してきているんですよね。まさか……とそこで気づいたんですよ。これ、もしかして……って。そしたら彼は案の定こう言ったんです。

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