HANGOUT PLUSレポート 乙武洋匡×宇野常寛「もう一度この国が変わると思えるために」【毎週月曜配信】 | PLANETS/第二次惑星開発委員会

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  • 2016.12.19
  • 乙武洋匡

HANGOUT PLUSレポート 乙武洋匡×宇野常寛「もう一度この国が変わると思えるために」【毎週月曜配信】

毎週月曜日夜よりニコ生で放送中の、宇野常寛がナビゲーターをつとめる「HANGOUT PLUS」。2016年12月12日の放送では、乙武洋匡さんをゲストに迎えて対談を行ったほか、視聴者の皆さんから寄せられた質問メールに宇野が答えました。今回は放送内容をレポート形式でお届けします。


PLANETSチャンネルで、J-WAVE 「THE HANGOUT」月曜日の後継となる宇野常寛のニコ生番組を放送中!
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▼ゲストプロフィール
乙武洋匡(おとたけ・ひろただ)
1976年、東京都生まれ。大学在学中に出版した『五体不満足』がベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』は映画化され、自身も出演。続編小説『ありがとう3組』も刊行された。おもな著書に『だから、僕は学校へ行く!』、『オトことば。』、『オトタケ先生の3つの授業』など。2014年4月には、地域密着を目指すゴミ拾いNPO「グリーンバード新宿」を立ち上げ、代表に就任する。2015年4月より政策研究大学院大学の修士課程にて公共政策を学ぶ。
「HANGOUT PLUS書き起こし」これまでの記事はこちらのリンクから。

前回:HANGOUT PLUS 宇野常寛ソロトークSPECIAL(11月28日放送分書き起こし)【毎週月曜日配信】

※このテキストは2016年12月12日放送の「HANGOUT PLUS」の内容のダイジェストです。

◎構成:村谷由香里
◼ クリーンなイメージが壊れたからできること
 12月12日の放送は、8ヶ月ぶりにメディア復帰を果たした乙武洋匡さんをお迎えし、この8ヶ月のこと、そして「これから」についてのお話を伺いました。
 乙武さんはフジテレビの『ワイドナショー』への出演をきっかけとしてメディアに復帰しました。宇野さんは番組スタッフの心意気が感じられると評価しつつも、その裏にある「テレビが裁く人を決めてよい」という思想には賛同できない、乙武さんがそこに参加することは、テレビのいじめ文化の延命につながってしまうのではないかと危惧します。
 『五体不満足』以降、乙武さんはメディアによってつけられた「障害者」のイメージと戦ってきました。今回の騒動で乙武さんが激しく非難された一因には、障害者である乙武さんに、クリーンなイメージが期待されていたことがあると言えるでしょう。ある意味では障害者のイメージを壊すきっかけになった今回の騒動を経験して、乙武さんは空気を読んだり、求められていることに応えようとするのは止めたと語ります。
 そんな乙武さんは、これから取り組みたいことについて、障害者スポーツを挙げました。これまで乙武さんは、障害者スポーツを扱うことを避けてきたと言います。障害者がスポーツジャーナリストをしているという意外性がなくなってしまうためです。しかし、クリーンなイメージがなくなり、これまで関わりたいと思っていた教育や政治から距離を置かざるを得ない今だからこそ、障害者スポーツに真正面から取り組むことが有効なのではないかと語ります。

◼ 「同じように生きさせろ」から「好きに生きさせろ」へ
 これまで乙武さんのメッセージに対するパブリックイメージは「同じように生きさせろ」だったのではないか、と宇野さんは指摘します。それが、今回の報道を通じて、「好きに生きさせろ」というイメージへと変化したのです。人と同じでなければならないという圧力、マイノリティへの不寛容など、日本には息苦しさがはびこっています。ハンディキャップを持った乙武さんの身体は、「どんな体を持っていてもいいだろ。好きに生きさせろ」というメッセージとシンクロして強い効果を生み、息苦しい社会へのアンチテーゼ的なアイコンになり得るのではないか、と宇野さんは期待を込めて語ります。
 そんな不寛容な日本を捨てて、海外に出ることは考えなかったのか。宇野さんの鋭い質問に、正直それも考えたと乙武さんは気持ちを吐露します。これまで多様性のある社会を目指して活動してきたけれど、つまづき傷ついてしまった。そのとき既に多様性が実現されている海外の様子を目の当たりにし、日本に残るかどうか、本当は迷ったと答えました。それでもなお、日本で活動を続けると決意した理由を、乙武さんはこのように語っています。
 「そうやって生きていくことが、この体で生まれてきた意味なんじゃないのか。使命なんじゃないのか。自分の持ち場はやっぱりこの国で、ひとりひとり違う多様性があっていいじゃないかってみんなが思えるようにすること。そこに自分の人生を捧げていきたいなって」
 メディア論からはじまり、乙武さん自身の生きる意味にまで踏み込んだ、内容の濃い放送でした。

◼ 乙武さんとの対談を振り返って

一時間にわたって乙武さんと「これから」についての対談を終え、宇野さんは以下のように振り返ります。

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