宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2017.02.20
  • 森直人

HANGOUT PLUSレポート 森直人×宇野常寛「日本映画は復活するか――〈川村元気以降〉を考える」(2017年2月13日放送分)【毎週月曜配信】

毎週月曜夜にニコニコ生放送で放送中の、宇野常寛がナビゲーターをつとめる「HANGOUT PLUS」。2017年2月13日の放送では、映画評論家の森直人さんをゲストに迎えました。『君の名は。』などのヒット作が続き日本映画復活の年といわれた2016年。しかし映画界の業界構造は以前のまま、ブームはアニメと川村元気作品に支えられている状態です。日本映画の現在と未来について、2人の間で熱い議論が交わされました。(構成:村谷由香里)
※このテキストは2017年2月13日放送の「HANGOUT PLUS」の内容のダイジェストです。

川村元気は日本映画の何を変えたのか

2人の議論は、2016年のキネマ旬報ベストテンから始まります。上位10位内にランクインした川村元気プロデュース作品は、10位の『怒り』のみ。通例のベストテンなら本作品は1位になってもおかしくないとする森さんは、2016年の日本映画を「佳作は驚くほど大量にある。しかし突出した作品のない団子状態」と評します。
 
森さんによると、この日本映画の充実の端緒は、中・小規模やインディペンデント作品で『SRサイタマノラッパー2』『さんかく』『川の底からこんにちは』といった若手監督の注目作が次々と公開された2010年にあり、東宝の川村元気作品でいえば同年の『告白』と『悪人』が象徴的に巨大なインパクトを残した。そして、2010〜11年の『告白』『悪人』『モテキ』のそれぞれに対応するのが、2016年の『君の名は。』『怒り』『何者』であり、この6年間で川村元気作品は成熟を迎えたが、それは一方で「緩やかな後退」でもあったかもしれないといいます。
 
宇野さんは、2000年代前半の日本映画は、『ウォーターボーイズ』(2001年)の成功をモデルとした「メジャーと単館の中間でスマッシュヒットを狙える」という夢を見ていた時代がまずあり、その夢が一度破綻したあとに出現したのが東宝という大手配給会社の内部で前衛的な作品制作を試みる川村元気プロデューサーだったと指摘します。
 
そして2010年というターニングポイントにおける川村元気のプロデュース作『告白』の重要性を訴えます。中島哲也監督によるCM的・PV的なカットの「つながらない」演出は、映画評論家の間では賛否両論だったが、それは日本映画の射程距離を更新しようとする試みであったと評価します。しかしその一方で2016年の川村元気作品にはこうした射程を持ち得た作品はなかったという批判を加えます。

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