御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第17回 重すぎる処罰を課す「公安条例」 | PLANETS/第二次惑星開発委員会

宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2018.06.20
  • 周庭,香港

御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第17回 重すぎる処罰を課す「公安条例」

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。 2016年の旧正月、香港の旺角(モンコック)では無許可の屋台を撤去しようとする警察と市民の衝突が起こりました。衝突に参加した人々には、今月重すぎると言える判決が下され、運動家の間では衝撃と落胆が広がっています。(翻訳:伯川星矢)
今月もまた様々なことが起きた一ヶ月でした。

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▲6月10日が投票日だった区議員補欠選挙、候補者の李鳳琼氏と

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最近、香港の社会運動家にとって、もっとも衝撃的で、もっとも落胆した出来事がありました。以前、裁判で暴動罪成立の判決を受けたデモ参加者たちが、5月31日付で28から51ヶ月の禁固刑になったのです。2年前の旧正月、警察が突然旺角(モンコック)の路上で食べ物を売っている屋台の取り締まりを始め、周りの市民が警察を阻止しようとしたが、最終的に衝突事件となってしまいました。香港でも珍しいことですが、警察と市民がレンガを投げ合い、さらには警察が空に向けて威嚇射撃をする事態となりました。最終的に、警察は翌日の早朝に屋台の強制退去を完了し、警察と対抗した人々は暴動罪で逮捕されました。そのうちの9人が先日禁固刑となり、1人が更正施設の入所となりました。

実刑判決の受けた10人のうち、一番若い19歳の莫嘉濤(モック・カートウ)は、実刑51ヶ月という一番重い処罰を受けることとなりました。若者の一番輝かしい青春が、ここで奪われてしまいました。彼らが暴力を振ったのは事実だ、法を犯したのだ、それに見合った判決を受けるのは当然ではないか、と思う人もいるかもしれません。そう結論づける前に、他国と香港の暴動罪の定義と処罰を比べてみましょう。

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