御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第16回 スタンフォード大学での講演 | PLANETS/第二次惑星開発委員会

宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2018.05.29
  • 周庭

御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第16回 スタンフォード大学での講演

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常——香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。 今回は初めて訪れたアメリカで、スタンフォード大学でのイベントに参加しました。官僚との貴重な討論の機会となった本イベントでは、香港に関わる人同士の異なる意見がぶつかり合う場にもなりました。(翻訳:伯川星矢)

執筆の二週間前に、わたしはアメリカのスタンフォード大学の招待を受けるという幸運に恵まれ、民主主義論の第一人者である政治学者のラリー・ダイアモンド氏、そしてサンフランシスコ在住の香港経済貿易所所長と香港の政治情勢について話し合いました。わたしはアメリカに行くのは初めてで、正直なところ、渡航前はアメリカンサイズの食べ物くらいしかアメリカについてのイメージがありませんでした(笑)。

十数時間飛行機に乗ってアメリカに到着すると(成田乗り換えだったので日本のお土産も買いました)、二人のスタンフォード大学の学生が迎えに来てくれました。二人ともスタンフォード大学香港学生の会(Hong Kong Student Association, HKSA)のメンバーです。アメリカの多くの大学では、香港人を主な構成員としたHKSAが組織されています。アメリカで香港人学生同士で知り合う場としての機能はもちろん、彼らはお茶会や、香港のポップスを歌うカラオケなど、香港文化のプロモーションも行っています。今回の香港政治に関するイベントも、スタンフォード大学HKSAの「広東語週」のイベントの一つです。

わたしが一番驚いたのは、スタンフォード大学のHKSA会長は中華系の方ではなく、アメリカで生まれ育ったペルー人だったということです(一部香港の血が入っているそうです)。スタンフォード大学HKSAは他の大学とは異なり、 香港出身の留学生メンバーは多くありませんでした。会長ほど多文化を背景に持っている例は珍しいのですが、ほとんどの会員が中国系アメリカ人(American-born Chinese, ABC)で、あまり広東語を話せません。それでも、彼らは香港文化を愛し、香港で起こっている出来事にも非常に関心を持っています。

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