宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2018.05.02

鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第10回 王立!!湾岸アラブ高校〜断行後の日々〜(続編)

鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』、今回は以前の配信で好評だった「王立湾岸アラブ高校」の続編です。カタールへの国交断絶から10ヶ月、湾岸アラブ諸国との関係は緊張を増すばかりです。鷹鳥屋さんが、湾岸アラブ諸国を高校に例えて、中東の情勢をわかりやすく、ユーモアたっぷりに解説します!

以前の配信(第二回で湾岸アラブの状況をわかりやすく説明するためにアラブ諸国を高校に例え、さっぱり分りやすくした解説が好評でしたが、また最近色々な動きがありましたので前回と同じようにさっぱりと単純化したストーリーで湾岸アラブの近況をお届けできればと思います。

たとえ話で言うならば、、、(前回の復習)

とある王立湾岸アラブ高校にサウジアラビアとカタールとバーレーンとUAE(アラブ首長国連邦)がいました。彼らは同じ学校のメンバーとして仲良くしていましたが、最近カタールが他校のイランやムスリム同胞団などとこっそりと、時には堂々と遊んでいる姿が目についているのをほかのメンバーは許せませんでした。それに対してUAE(アラブ首長国連邦)とサウジアラビアは

サウジ・UAE「お前とは絶交だわ(国交断絶)。もう同じ飯も食べねえし(貿易停止)、家に遊びに行かねえ!(領空飛行禁止)」

と強気に出ました。簡単に言いますと、カタールに対する兵糧攻めを行いました。それに対して近くにあった他校の、しかも湾岸アラブ高校のライバルであるイランやトルコが

イラン・トルコ「おいおい、カタールかわいそうだな、まかせろ! 俺たちが飯食わせてやるぜ!(生鮮食品、乳製品などの緊急輸入)

と支援を申し出たことでカタールの台所事情が落ち着き

カタール「俺周りの友人にハブられても、湾岸でひとりツッパリますけん!」

とカタールは心に誓うようになった、という状況が前回までになります。

断交後の王立湾岸アラブ高校

断交からおよそ10ヶ月以上が過ぎましたが、それまでの間の湾岸アラブ高校の状況はと言いますと

カタール「どんな状況でも国内はまとまるぜ! カタールはひとおおおつ!!」
カタール舎弟「いえええい!親分ばんざーーーーーーい!!」

断交による様々な弊害を受けた後でもカタールは内部崩壊することなく、タミーム首長の元、国家運営はしっかりと行われていました。
しかし断交の影響はなんだかんだ言って生活に影響が出ています。カタールが元々弱かった産業分野、例えば一例をあげますと乳製品についてはその多くを今までサウジアラビアやUAE産などで賄っていましたが、断交後は一切輸入できなくなったため、その多くをトルコやクウェートなどから輸入していました。とは言っても今まで陸路で輸入していたものをガンガン空輸しているのです、いくらトルコの乳製品が安いと言っても輸送コストがかかる分、今までよりも価格が引き上げられました。

カタール舎弟「親分!俺たちの牛乳がトルコ高校から来るのはありがたいのですが育ち盛りの我々には少し高いですし分量が足りないっス!」
カタール「そうかー、、、うーん、牛乳ねえ。どうしたものか。・・・あ!そうか!乳牛を飛ばせばいいのか!!」

牛乳が足りないならば乳牛を集めればいいじゃないか、とカタールは『空飛ぶ乳牛大作戦』を開始しました。カタール航空のカーゴでヨーロッパ、アイルランド、アメリカなどから数千頭ずつ乳牛を確保して牛乳や乳製品の自国ブランドを強化、育成へと一気に舵を切ることになりました。

▲注:ドナドナではない。

『空飛ぶ乳牛大作戦』により世界中から乳牛がカタールに集まりました。
このように断交によりかえってカタールは一丸となり、政府の支援のもと、カタールの内需産業は続々と強化され「カタール産を使おう!」と言う名目の下に国産品の展開が着々と進みました。

▲カタール産牛乳「BALADNA」。カタール産であることを強くアピール。

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