宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2016.12.27

脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第23回「男とペット5」【毎月末配信】

今朝のメルマガは平成仮面ライダーシリーズの脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』第23回です。今回は「男とペット」の最終回です。敏樹先生が初めて飼った愛犬トナは放し飼いにされていましたが、ある日、突然行方をくらまします。一週間後、家の床下でうずくまっているところを発見されたトナの右前足は血塗れで……?


 
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【発売中!】井上敏樹 新作小説『月神』(朝日新聞出版)
 
▼内容紹介(Amazonより)
「仮面ライダーアギト」「仮面ライダー555」をはじめ、
平成ライダーシリーズの名作を送り出した脚本家による、
荒唐無稽な世界を多彩な文体で描き出す、異形のエンターテインメイント!
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PLANETSチャンネル会員限定!
入会すると視聴できる井上敏樹関連動画一覧です。

 
(動画1)井上敏樹先生、そして超光戦士シャンゼリオン/仮面ライダー王蛇こと萩野崇さんが出演!(2014年6月放送)
【前編】「岸本みゆきのミルキー・ナイトクラブ vol.1」井上敏樹×萩野崇×岸本みゆき
【後編】「岸本みゆきのミルキー・ナイトクラブ vol.1」井上敏樹×萩野崇×岸本みゆき
 
(動画2)井上敏樹先生を語るニコ生も、かつて行なわれています……!仮面ライダーカイザこと村上幸平さんも出演!(2014年2月放送)
【前編】「愛と欲望の井上敏樹――絶対的な存在とその美学について」村上幸平×岸本みゆき×宇野常寛
【後編】「愛と欲望の井上敏樹――絶対的な存在とその美学について」村上幸平×岸本みゆき×宇野常寛
 
(動画3)井上敏樹先生脚本の「仮面ライダーキバ」「衝撃ゴウライガン!!」など出演の俳優、山本匠馬さんが登場したニコ生です。(2015年7月放送)
俳優・山本匠馬さんの素顔に迫る! 「饒舌のキャストオフ・ヒーローズ vol.1」
 
(動画4)『月神』発売を記念し行われた、敏樹先生のアトリエでの料理ニコ生です!(2015年11月放送)
井上敏樹、その魂の料理を生中継!  小説『月神』刊行記念「帝王の食卓――美しき男たちと美食の夕べ」
 
■井上敏樹先生が表紙の題字を手がけた切通理作×宇野常寛『いま昭和仮面ライダーを問い直す』もAmazon Kindle Storeで好評発売中!(Amazonサイトへ飛びます)
 


 
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▼執筆者プロフィール
井上敏樹(いのうえ・としき)
1959年埼玉県生まれ。大学在学中の81年にテレビアニメの脚本家としてのキャリアをスタートさせる。その後、アニメや特撮で数々の作品を執筆。『鳥人戦隊ジェットマン』『超光戦士シャンゼリオン』などのほか、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー555』『仮面ライダー響鬼』『仮面ライダーキバ』など、平成仮面ライダーシリーズで活躍。2014年には書き下ろし小説『海の底のピアノ』(朝日新聞出版)を発表。
 

前回:脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第22回「男とペット4」

 
男 と ペ ッ ト  5 井上敏樹
 
さて、長々とペットについて書いて来たが今回で最後である。読者に申し訳ないのはペットの死ばかり書いた事だ。さぞ憂鬱になったに違いない。が、これは仕方のない事なのだ。ペットを飼うという事は『死』を身近に置く事だ。だから仕方ない。で、今回もペットの死について書く。我が家で最初に飼ったペット――愛犬のトナの最期についてだ。前にも書いたがトナは素晴らしい犬だった。柴犬系の雑種だったが頭が良くイケメンで時代的にも放し飼いが出来るおおらか時代をのびのびと生きた。今や散歩となれば犬をリードで繋ぎご主人様も付き合わなければならない。しかも犬が糞などした暁にはあろう事かそれを持ち帰るというルールがある。これではどちらがご主人様か分からない。それに比べれば昔はまさに天国だった。なにしろ鎖を解けば犬は勝手に散歩に行き勝手に帰って来たのだ。楽なもんである。わが家のトナも夜、散歩に出掛け、私が朝、目を覚ますと、遊び疲れて犬小屋で前足に顔を乗せてぐっすり眠っている、そんな風であった。ところが、である。放し飼いにもまずい点がある。当然と言えば当然だが、ご主人様の目が届かないのだ。そのせいでトナは危うく命を落とす所だった。事故にあったのである。それに気づくまでに数日かかった。散歩に出掛けたまま、帰って来なかったからだ。それまでも2、3日家をあける事はよくあったが、一週間近く経っても帰って来ない。さすがに心配になりあちこち探し回っても見つからない。最初にトナの声に気づいたのは母だった。家族で夕食を取っていると『トナの鳴き声がする』と言う。私も弟も父も箸を止めて耳を澄ませた。確かに微かに声がする。それも床下から『クゥ~ン、クゥ~ン』と言う悲しげな声だ。

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