宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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  • 2016.10.07
  • 宇野常寛,宇野常寛の対話と講義録

京都精華大学〈サブカルチャー論〉講義録 第9回 宇宙世紀と大人になれないニュータイプたち【毎週金曜配信】

今朝のメルマガは「京都精華大学〈サブカルチャー〉論」をお届けします。今回のテーマは1980年代の富野由悠季です。『Zガンダム』『逆襲のシャア』を通して明らかになった「成長物語としてのロボットアニメの限界」について論じます(この原稿は、京都精華大学 ポピュラーカルチャー学部 2016年5月13日の講義を再構成したものです)。


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前回:京都精華大学〈サブカルチャー〉論 第8回 富野由悠季とリアルロボットアニメの時代(後編)(毎週金曜配信「宇野常寛の対話と講義録」)

 
■「キレる若者」カミーユが迎えた衝撃の結末――『機動戦士Zガンダム』
 
 『ガンダム』に端を発した第二次アニメブームは1980年前半で沈静化し、ブームを盛り上げたアニメ雑誌の文化も衰退してしまいます。理由は色々ありますが、まずひとつはヒット作があまり続かなかったこと。そしてもうひとつ大きかったのは、少年たちの支持がジャンプを中心とした大手マンガ雑誌の人気作品のアニメ版へと移っていったことが挙げられます。そうなるとアニメ雑誌も人気作を中心にした特集が組みにくくなり、1985、6年頃にはどんどん潰れてしまったわけです。
 そういった状況だったので、アニメファンの間では再びブームの中核になる作品の登場が待ち望まれていました。要するに「『ガンダム』の続編を作ってくれ」という声がアニメ業界やファンのあいだで大きくなっていたんです。そうした声を受けて制作されたのが、初代『ガンダム』の直接の続編である『機動戦士Zガンダム』(1985年放送開始)でした。
 『Zガンダム』の舞台は、『ガンダム』の一年戦争から7年後の世界です。初代『ガンダム』放映後に流れた現実世界の年月とだいたい同じ年数が経っているという設定です。前作の主人公であるアムロやそのライバルのシャアも登場し、みな年をとっています。これは当時としてはすごく斬新でした。前の戦争で「ニュータイプ」というある種の超能力者として覚醒し、地球連邦軍のエースパイロットに成長したアムロは、その能力を政府から危険視されて閑職に回され、屈折した人間になってしまっているんです。前作で成長したはずの主人公がいじけた大人になってしまっているというのはなかなか衝撃的ですよね。富野由悠季は「実際に宇宙世紀に生きていたら登場人物はこうなっているはずだ」というシミュレーションをここでも徹底しています。
 『Zガンダム』では新しく設定された主人公、カミーユ・ビダンという高校生の少年が、前作のアムロと同様に戦争に巻き込まれ、成り行きでガンダムに搭乗して戦っていきます。どういうストーリーなのか、第1話の映像を観ていきましょう。

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