
脚本家・井上敏樹書き下ろしエッセイ『男と×××』第17回「男と男6」【毎月末配信】
今朝のメルマガは平成仮面ライダーシリーズの脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』第17回です。「祭りに行くぞ」と言われ、プロデューサーSに秩父祭りへと連れて行かれた敏樹先生。目の前で始まった痴話げんかを仲裁していると、そこにSが入り……。
【発売中!】井上敏樹 新作小説『月神』(朝日新聞出版)
▼内容紹介(Amazonより)
「仮面ライダーアギト」「仮面ライダー555」をはじめ、
平成ライダーシリーズの名作を送り出した脚本家による、
荒唐無稽な世界を多彩な文体で描き出す、異形のエンターテインメイント!
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PLANETSチャンネル会員限定!
入会すると視聴できる井上敏樹関連動画一覧です。
(動画1)井上敏樹先生、そして超光戦士シャンゼリオン/仮面ライダー王蛇こと萩野崇さんが出演!(2014年6月放送)
【前編】「岸本みゆきのミルキー・ナイトクラブ vol.1」井上敏樹×萩野崇×岸本みゆき
【後編】「岸本みゆきのミルキー・ナイトクラブ vol.1」井上敏樹×萩野崇×岸本みゆき
(動画2)井上敏樹先生を語るニコ生も、かつて行なわれています……!仮面ライダーカイザこと村上幸平さんも出演!(2014年2月放送)
【前編】「愛と欲望の井上敏樹――絶対的な存在とその美学について」村上幸平×岸本みゆき×宇野常寛
【後編】「愛と欲望の井上敏樹――絶対的な存在とその美学について」村上幸平×岸本みゆき×宇野常寛
(動画3)井上敏樹先生脚本の「仮面ライダーキバ」「衝撃ゴウライガン!!」など出演の俳優、山本匠馬さんが登場したニコ生です。(2015年7月放送)
俳優・山本匠馬さんの素顔に迫る! 「饒舌のキャストオフ・ヒーローズ vol.1」
(動画4)『月神』発売を記念し行われた、敏樹先生のアトリエでの料理ニコ生です!(2015年11月放送)
井上敏樹、その魂の料理を生中継! 小説『月神』刊行記念「帝王の食卓――美しき男たちと美食の夕べ」
■井上敏樹先生が表紙の題字を手がけた切通理作×宇野常寛『いま昭和仮面ライダーを問い直す』もAmazon Kindle Storeで好評発売中!(Amazonサイトへ飛びます)
これまでPLANETSチャンネルのメルマガで連載してきた、井上敏樹先生によるエッセイ連載『男と×××』の記事一覧はこちらから。(※メルマガ記事は、配信時点で未入会の方は単品課金でのご購入となります)
▼執筆者プロフィール
井上敏樹(いのうえ・としき)
1959年埼玉県生まれ。大学在学中の81年にテレビアニメの脚本家としてのキャリアをスタートさせる。その後、アニメや特撮で数々の作品を執筆。『鳥人戦隊ジェットマン』『超光戦士シャンゼリオン』などのほか、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー555』『仮面ライダー響鬼』『仮面ライダーキバ』など、平成仮面ライダーシリーズで活躍。2014年には書き下ろし小説『海の底のピアノ』(朝日新聞出版)を発表。
前回:脚本家・井上敏樹書き下ろしエッセイ『男と×××』第16回「男と男5」
男 と 男 6 井上敏樹
さて、前回は私が刑事に職務質問をされた話を書いて寄り道をしてしまった。話を本題に戻そう。本題と言うのは、つまり大手映画会社のプロデューサーのSのせいで私が喧嘩に巻き込まれた話だ。まず思い出すのは祭りの場での喧嘩である。
『祭りに行くぞ』ある日、打合せに行くとSは私の脚本を放り出してそう言った。
『お前のクソつまらないホンを読んでいると鬱になる。気分直しに祭りだ』
『はあ。と、言いますと? どこのお祭りで?』
『秩父祭りだ。男の祭りよ』
確か『男と酒』で祭りの場のエピソードを書いたと思うが、その時、一緒にいたのがSだったのである。
とにかく私はわけがわからずぼ〜っとした状態でSの車で秩父に向かった。Sと知り合ってから私はよくぼ〜っとするようになった。短気で我が儘で気まぐれなSと付き合うにはぼ〜っとしてなければやってられないのである。