周庭 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第32回 なぜデモに暴力がともなうのか、その原因と意義
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。流血の事態が続く香港の民主化デモ。警察の暴力的な対応のみならず、親中国派による襲撃も相次ぎ、混乱は増す一方のようです。なぜ民主派は武器を手に取るのか。11月24日に行われた区議会議員選挙の結果と合わせて、香港の「今」を報告します。(翻訳:伯川星矢)
香港の戦いは、まだ続いています。
香港人が求める「五つの要求」はいまだに達成されていません。そしてこの戦いは、わたしたちの「家」を守るための重要な一戦になりました。この原稿を執筆する数日前、警察は香港中文大学に攻め込もうとしました。学生、教師、卒業生たちは校門を死守し、警察の突入を許しませんでした。その日、香港中文大学で撮影された写真を見た多くの外国の方々から「天安門事件を思い起こさせる」と言われました。
少し前に香港メディアの取材を受けたドイツ人記者は「香港警察はイスラーム国(ISIS)よりも恐ろしい」とコメントしています。香港警察はなぜこうなってしまったのでしょうか。まさに「悲憤慷慨」であり、香港人としてとても複雑な心情です。
確かに6月頃と比べると、デモの活動スタイルは大きく変わりました。文字通り「平和的」から「急進的」になったこの変化は、警察と政府に対する市民の不信感、さらには香港の法治制度全体に対する不信感によるものです。言い換えれば、香港人は気づいてしまったのです。今の香港の法治制度はとうてい受け入れられるものではない、と。これらの「不信感」が、皆さんがテレビで見たであろう「暴力」に変化したんだと思います。
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