宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

Serial

  • 2020.09.03

『日常に持ち込んだシュール』 | 高佐一慈

お笑いコンビ、ザ・ギースの高佐一慈さんが日常で出会うふとしたおかしみを書き留めていく連載「誰にでもできる簡単なエッセイ」。今回のテーマは「誕生日」です。今年、高佐さんはある特別な方法で、大切な人の誕生日をお祝いしました。シュールという言葉の裏側にある甘酸っぱさを、どうぞご堪能ください。

高佐一慈 誰にでもできる簡単なエッセイ
第9回『日常に持ち込んだシュール』

世の中にはいろんな記念日がある。
例えば建国記念日や敬老の日などの国民の祝日系の記念日。
節分や七夕などの伝統的な祭りごと系の記念日。
誕生日や結婚記念日などの個人的な出来事系の記念日。

調べてみると365日、毎日何かしらの記念日だ。
例えば1月9日は「とんちの日」。とんちで有名な一休さん、いっ(1)きゅう(9)から来ているらしい。
2月28日は「エッセイ記念日」。エッセイストの元祖、フランスの哲学者ミシェル・ド・モンテーニュの誕生日にちなんでというもの。
5月15日は「ヨーグルトの日」で、ヨーグルトの研究者メチニコフ博士の誕生日だからなのだが、4月4日に「脂肪0%ヨーグルトの日」というのもあって、もう何でもござれだ。
6月1日に至っては、「写真の日」「電波の日」「バッジの日」「気象記念日」「チーズの日」「麦茶の日」「氷の日」「チューインガムの日」「ねじの日」「真珠の日」「景観の日」「スーパーマンの日」「マリリン・モンローの日」と、記念日の大渋滞だ。もう6月1日を何かの記念日にするのはよしてほしい。6月1日自身ももう私を何かの記念日に制定するのはよしてくれと悲鳴を上げているはずだ。

僕が今回言いたいのは、色んなおかしな記念日を紹介することではない。
誕生日に関することだ。

僕は人の誕生日を祝うことが苦手だ。
一応大人なのでみんながおめでとうと言っていたら、周りに合わせておめでとうと言うくらいの社会適合性はあるつもりだ。
サプライズでプレゼント渡そうよ、という意見にも賛同できるくらいの分別は持っている。つもりだ。
けど本当は心の底からどうでもいいなぁと思っている。
こう言うと、酷い人間だという印象を持たれてしまいそうだが、誤解して欲しくないのは、僕は自分の誕生日を祝われるのも苦手なのだ。

一時期何でこんなに嫌なんだろうと、原因を模索したことがある。
自分の中の深い場所に、誕生日のお祝いが嫌いになってしまったトリガーがあるはずだ、と。

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