月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」11月9日放送書き起こし!
大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!
■オープニングトーク
宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。先々週、僕はキャンプをしてきたんですよ。なんと、神田の古本屋街で。正確にいうと、三省堂さんの本店がある神保町です。そこで、ある建築家の人が提案したイベントがあったんです。もともと東京電機大学があった敷地が、建て替えのためにいまはさら地になっているんですよね。そこで、街の見方を変えるためにみんなで一晩泊まってみようという趣旨のイベントだったんです。
その日は、神田自体がちょっとしたお祭りだったんですよね。古本祭りや、カレーフェア、ビール祭りみたいなものがやっていて、その中のひとつとして、僕が参加したアーバンキャンプというイベントがあったんです。そんなお祭りの雰囲気の中で、あえてオフィス街のど真ん中にテントを貼って1泊するという企画に参加してきたんです。神田からちょっとはずれたオフィス街なので、周囲はもうビルだらけなんですよ。テントってやっぱり、地面に直接貼るじゃないですか。だからそこから見上げると、あらゆる建物がものすごく高いんですよね。「東京ってこんなに空が狭かったんだ」ということを感じながら、すごくシュールな時間を過ごしました。
普段働いたり、買い物をする場所にあえて寝泊まりしてみると、たしかに街の見方が変わりますよね。街中の敷地なので、そんなに火とかは使えないんですよ。その代わりに、お店にいってくれということなんですが、神保町は意外とおいしいお店がいっぱいあるんですよね。伝統的に、洋食屋さんっぽいカレーがすごく多い場所なんですよね。あと、街中なんだけれど、意外と遅くまでやっている銭湯とかもあるんです。
あと、僕が個人的に面白いなと思ったのは距離感ですね。銭湯にいく途中、普通にてくてくと歩いていたら、僕がすごく好きな山形そばのお店があったんですね。で、僕の認識ではそのお店があるのは神保町エリアではなくて、もうちょっと違うエリアだったんだけれど、意外と歩いていける距離にあったんだなと思いましたね。普通に銭湯にいくために、ちょっと北の方に歩いて行く途中で、そのお店があったんですよ。ふだん電車で移動しているせいで、このお店が歩いていけるくらい近くにあるって気づかないんですよね。東京は特にそうですよね。そういったものに改めて気付かされたりとか、ちょっと生活のリズムを変えるとか、目線を変えるとかで街ってぜんぜん別の顔をしているんだなっていうことに、普通に感動しましたね。もちろん山のキャンプとかとはまた違った非日常感がすごくあって、そこでいい体験ができるんですけれども。
このイベント、実は微妙に注目されていたらしくて、テレビ局の情報番組が取材にきていて、偶然僕らがインタビューされたんですよ。あえて局名を出さないけれど、ある在京テレビ局に2つくらい僕がインタビューされたんですね。取材しているスタッフは、僕だってことに完全に気づいていなくて、本当にただ暇なおっさんに普通にインタビューしているという感じでしたね。この日は、よく話にでてくる僕の友だち、某公共放送系出版社勤務の仮名I本光俊さん(40歳)と2人できていたんですよ。