月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」1月11日放送書き起こし!
大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!
■オープニングトーク
宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。今夜の放送も、みなさんからいただいた人生相談メールから始めようと思います。ラジオネーム「空を飛びたい」さん。19歳の男性の方ですね。
「宇野さんこんばんは。毎週、楽しく拝聴させていただいております。自分は現在、私立文系を目指す浪人生なのですが」
私立文系を目指す浪人生ってなんか志が高いのか低いのかよくわかんないですね、はい(笑)。
7年後くらいまでには誰かに作ってもらった最新鋭のガジェットを駆使して、無血のうちに悪を懲らしめたいと思っています」
はあ……。これさ、僕への挑戦だよね? まず問いたいのは、僕が人生を通して特撮ヒーローにどうコミットしているのかを理解してこのメールを送っているのか? ということですね。僕はこれまで仮面ライダーグッズだけで軽く数百万円はつかっているし、仮面ライダーが表紙の本とかまで出していますからね。マジで。その僕にこのメールを送ってくることの意味をよく考えるべきですね。
というか、まず彼はほとんどヒーローを調べてないですよね。このメールにある「7年後ぐらいまでには誰かに作ってもらった最新鋭のガジェットを駆使して、無血のうちに悪を懲らしめたいと思っています」って、バットマンになりたいとか言っているくせに、明らかにクリストファー・ノーラン版の『ダークナイト』しか観ていないですよね。これはかなりやばいです。そもそも、こういったAM局のラジオでアイドルさんとか声優さんとかがやっている、「おもしろさを追求するというよりは、ほんわかした雰囲気を味わいたい」みたいなヌルい感じの番組に送ってくるような、ちょいおもしろネタメールをこの番組によこしてくる時点でね、なんて言ったらいいのかね。僕はナメられてますね。そして大しておもしろくない。この人にはまず自分の発想の凡庸さを自覚してもらいたいですね。この程度のユーモアで自分がおもしろいとか19歳で思っていたら本当に問題です。このレベルではスーパーヒーローはおろかハガキ職人にもなれませんよ。まあ、読んじゃっているんだけどね(笑)。そのうえでラジオネーム「空が飛びたい」くんこと、19歳浪人生には、僕から課題を与えたいと思います。