宇野常寛責任編集 PLANETS 政治からサブカルチャーまで。未来へのブループリント

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「PLANETS vol.8」
宇野常寛責任編集
発行:第二次惑星開発委員会
2012年12月25日発売
B5変型 本体1,800円+税
232ページ(カラー112ページ)

[巻頭言]
宇野常寛+濱野智史
僕たちは〈夜の世界〉を生きている

(解説)
宇野&濱野による巻頭言。「夜の世界」とは濱野による造語で、これは「市民社会」(政治)や「ものづくり」(経済)といった〈昼の世界〉に対し、社会的に陽の目を浴びることのない〈夜の世界〉としての、日本のサブカルチャーやインターネット環境を指します。この巻頭言では、僕たちが〈昼の世界〉ではなく、〈夜の世界〉から、世界を考え、変えようとしているその理由を示しています。これからの世の中に対していくときに、既存の「政治性」に接続するのではなく、政治性そのものを書きかえることで、社会と個人、政治と文学の関係を書きかえることに挑戦し続けたい。そんな決意表明にもなっています。

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21世紀の〈原理〉
――ソーシャルメディア・ゲーミフィケーション・拡張現実

【基調座談会1】
日本的情報社会のポテンシャル/〈拡張現実〉=ソーシャルメディアの時代

(解説)
基調座談会1では、日本の情報社会のクリティカル・ポイントを抽出する討議を行いました。この座談会を通して、本特集、及び本誌の「世界観」を掴んでください。

【基調座談会2】
井上明人×猪子寿之×宇野常寛×濱野智史
日本的想像力と「新しい人間性」のゆくえ

(解説)
基調座談会2の読みどころは、後半の猪子×宇野の日本的想像力の本質をめぐるやりとりでしょう。日本画的空間把握とキャラクター=依り代的な主体、そして性的想像力の関係について――猪子さんに「マジ」に自作を語ってもらう、という裏コンセプトがまんまと成功した座談会です(猪子さん、ゴメン!)。

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【対談】
井上明人×水口哲也
ゲームとゲーミフィケーションのあいだで――〈人間と情報〉の関係はいかに更新されてきたか

(解説)
ゲームクリエイターとゲーム研究者がコンピューターゲームの現在と社会現象としてのゲーミフィケーションについて語る――。水口さんの提唱する「あたらしいメディア」が示す人間と言葉、人間と数字とのあたらしい関係に、現場にいた誰もが少年のような眼をしてワクワクさせられていたのが忘れられません。

【寄稿1】
3.11が生み出した“おしゃべり”の楽園
「LINE」に見る日本的インターネットの欲望

(解説)
「ねとぽよ」実質編集長として知られる稲葉ほたて氏は、宇野がもっとも注目する20代の書き手のひとりです。本論考はいわば濱野「アーキテクチャの生態系」をインターネット事業者の視点から捉えなおした続編的内容だと言えます。終章で展開される「ブラウザ」的なものと「アプリ」的なものとの対比による公共性の議論は、インターネット社会論を超える長い射程をもったアイデアだと思います。

【寄稿2】
ソーシャルゲームから構想する〈拡張近代〉の方法論

(解説)
今年春に『東京スカイツリー論』を上梓した本誌副編集長・中川大地による論考です。コンピューターゲーム史についての近著も控えた著者が、ソーシャルゲーム現象を通じて現代日本社会の文化/社会空間を問い直す力作論考です。

【鼎談】
生貝直人×塚越健司×西田亮介
情報社会論と〈夜の世界〉――「もうひとつの日本」から考える

(解説)
濱野智史を司会に、いま官民に亘る領域で活躍する3人の若手研究者たちに、彼らの出自である「夜の世界」の思想とノウハウをいかに「昼の世界」に持ち込み、変えていくのかを徹底的に議論しました。一応断っておきますけれど、僕たちは昼/夜の区分けにこだわっているわけでもなければ、「昼の世界」を敵視しているわけでもありません。ただ、二つの世界に分断された日本を何らかのかたちでつなげなければいけないことは分かっている。その方法を考える記事を、本特集の最後に置きました。

【エッセイ】
宇野常寛
百億の昼を千億の夜が飲み込む日

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【東京ストレンジウォークSPECIAL】
門脇耕三×中川大地×速水健朗×藤村龍至+宇野常寛
いま東京と東京論を問い直す――首都機能から考える21世紀日本

(解説)
これはとにかく話していて、取材していて楽しい記事でした。鉄道依存の街としての「昼の東京」を裏返したときに出現する自動車網で結ばれた「夜の東京」、地理と文化の関係が浮上させる「都市から建築へ」というテーゼ、そして戦後的大企業文化の衰退が産んだあたらしいホワイトカラー層の出現……今号でいちばん「未来」を感じさせる、ワクワクする記事に仕上がったと思います。

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【レポート】
川口いしや
「食べログ」の研究———レビューサイトがもたらした「食文化」と「都市」の風景

(解説)
既存の紙媒体を蹴散らしたモンスター「食べログ」の研究レポートです。ライターの川口いしや君が2か月間、その足を使って調べ、体験することで、この巨大サービスから見えてくるゲーミフィケーション的なシステムの実態、都市文化の変容、世代間格差の問題などを浮き彫りにしていきます。こういう記事がやりたかった、と前から思っていた企画です。

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【鼎談】
張彧暋×福嶋亮大×與那覇潤
中国化するアジア文化をめぐって

(解説)
ベストセラー『中国化する日本』の著者・與那覇潤さんを招き、その文化的側面を僕の友人である福島・張の両氏を交えて議論した企画です。とにかく、この3人を一堂に集めたかったということで思いついた企画ですが、議論はアジア・中国から日本へとフィードバック。奇しくも中国的な「独裁者なき独裁」の日本での実現可能性、という政局的にシャレにならない問題についてガチでやりあうことになりました。

【鼎談】
蘆田裕史×門脇耕三×千葉雅也
「装い」の環境分析――身体の虚構化と僕らの資本主義

(解説)
僕はあまり「服」には興味のない人間なんですが、だからこそ逆にファッションについて考えてみたい――そう考えて企画した鼎談です。これはとにかく、後半の千葉さんの「カッコイイ」という概念をめぐる議論が面白い。20世紀後半が「カワイイ」について語ることが必要とされた時代なら、21世紀は「カッコイイ」がキーワードになる時代になるのかもしれない。そんな予感さえさせる語りです。

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【座談会】
石岡良治×黒瀬陽平×坂上秋成×村上裕一
キャラクター表現の現在――東方・アイマス・MMD以降

(解説)
個人的に来年はアニオタに回帰しようと思って、文字通り「東方・アイマス・MMD以降」のキャラクター表現を考えてみようと思った企画です。単に現状整理を賢くやって見せるだけじゃなく、あの頃僕らが二次元のキャラクターに仮託していた「マジ」について、激しく思い出させてくれる座談会です。

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[巻末特集]
ニッポン開発委員会2013——社会のOSをアップデートするために

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【カラーグラビア&レポート】
パブリック・アクセスと21世紀的マスメディア
カリホリのアメリカ西海岸レポート

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【徹底討議】
宇野常寛×荻上チキ×開沼博×鈴木謙介
原発を考えることで/日本のこれからを考える

(解説)
原発問題については、ずっとどこかでじっくりとやりたいと思っていました。そして、この人ならどう考えるんだろう、と純粋に話を聞いてみたい人と、たっぷり時間をかけて考えたいと思っていました。そして結構無理を言って、このメンバーに集まってもらいました。もちろん、この座談会が最終回答だなんて誰も思っていません。でも、また時間をおいてこのメンバーで集まって、それぞれのコミットメントの結果を持ち寄りながら、改めて議論して軌道修正していきたい。この問題については、粘り強く、時間をかけてコツコツと積み上げていくことが大事だと思っています。

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【インタビュー】
いまこの人に、いちばん訊きたいことを訊いてみる

(解説)
若手論壇ブームとか言われますけれど、僕自身はあまりピンと来ていないんですよ。むしろ、ここ十年か二十年の論壇が、陰湿な内ゲバを繰り返すだけの存在になっていて、世間から相手にされなくなていただけなんじゃないかと思う。だから僕は、なんとかしてつまらない揚げ足取りや、足の引っ張り合いじゃなくて、きちんと議論できる場をつくりたいと思っています。その第一歩として、初心に戻って今、僕が気になっている人に一番訊きたいことを訊いてみる。そこからはじめたいなと思っているんです。

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安藤美冬
ノマド・ブームの功罪

(解説)
半年くらい前に、安藤さんを批判する人はとても多かったけれど、彼らの批判すべきは安藤さんじゃなくて日本の浮ついたマスコミや、労働環境そのものじゃないかってずっと思っていたんです。そして安藤美冬という固有名詞の批判力は、にもかかわらずかなり理性的な人も含めて彼女に感情的に対応してしまいそうになるところにあったんじゃないか。そのポイントを僕なりに分析してぶつけてみました。そして彼女の回答は僕の斜め上をいっていた。安藤美冬、やはり傑物です。

萱野稔人
「国家とはなにか」を問い直す

(解説)
萱野さんってものすごく明晰で、裏表がなくて、とにかく一緒に仕事していて勉強になるし気持ちがいい人なんですよ。でも、ときどきものすごくつまらなさそうに仕事をしている時がある(笑)。だから、ぶっちゃけ、どう思っているんですか?って尋ねてみたかった。震災後の萱野さんの主張は、今の言論空間の中でもちょっと変わった位置にあって、その位置は彼の非常にクールな視点から生まれている。『国家とはなにか』以降の思想的展開から、ここしばらくの左翼批判的言説に線を引いてみたかったんです。

國分功一郎
いま、消費社会批判は可能か

(解説)
「メルマガPLANETS」の人生相談でお馴染みの哲学者・國分功一郎さんです。『暇倫』の消費社会論からはじまって、今年の初めに、僕が新著のアイデアについて國分さんにアドバイスをもらったところ、氏が教えてくれた「中動態」という概念についてのお話を中心に展開していきます。特集とも完全にリンクしている内容です。

駒崎弘樹
社会起業という回路が生んだもの

(解説)
これは今号でいちばん、個人的に「好き」な記事かもしれません。取材当時、僕はひどく落ち込んでいて、そのせいで駒崎さんに半分人生相談みたいなことをして逆に勇気づけられるような、謎の展開になっています。でも、率直に言って彼からは勇気をもらった。仕事がつらくなるたびに何度か、読み返しています。

水無田気流
「産める自由」を獲得するために

(解説)
僕はずっと詩人としての彼女と付き合ってきたんですよ。だから社会学者としての彼女とガチの議論をしたことってあまりない。でも、こうして率直に話してみるとびっくりするくらい立場はズレてない。戦場は微妙に違うけれど、この先もこの人とは共闘していくんだろうな、と思いました。

古市憲寿
「いまどきの若者」はいかに消費されてきたか

(解説)
「生意気だけど悪びれない年下の男の子に甘い」のが僕の弱点だとよく言われます。その意味では、このインタビューは僕の弱点がさらけだされているのかもしれません。(笑)

吉田徹
ポピュリズムと民主主義との「和解」に向けて

(解説)
これは僕がどうしても、とお願いして、帰国後間もない吉田さんに札幌からメールインタビューに応じてもらった記事です。「維新の会」問題に代表される昨今のポピュリズム批判やそれに関連した議論は、吉田さんの著作を読めば8割くらいキャンセルできると思っている。選挙には間に合わなかったけれど、これを機会に吉田さんの言説に触れる人が多くなればいいな、と思っています。

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【特別企画】
生き延びてしまった僕たちは――震災後の想像力

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カヴァーガールインタビュー&グラビア
横山由依

(解説)
これについてはもう、何も言うべきことはありません。刮目せよ、世界の真実に! 人はみな、誰かを推すために生きている……。
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